リノベーションの仕事を始めてから、草加の人たちやお店と繋がりができるようになりました。

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草加でヴィンテージ家具のお店を営業している石田 尚久さん。店内は大小さまざまな家具から、ちょっとした雑貨まで売っていて、宝探しをしているような気分になります。そんなお店 outlet CHEERSができるまでと、今後の目標を聞いてみました。


草加に店舗を出す前は色々な仕事をしていました

飲み屋で隣に座っていた人に誘われて就職

今まで会社に所属していたことは二度ありますが、就職活動をしたことがないんですよ。二回とも飲み屋で隣に座っていた人に誘われて。笑

一度目は、隣で飲んでいた社長に誘われて半導体の図面を描く仕事をしました。当時、手書きとCADでの仕事が半々だったのですが、手書きの方が自分に向いていたと思います。昔から絵を書いたり何かを作ったりすることは好きでした。

それなりに楽しく仕事をしていましたが、自分は喋るのが大好きなんですよ。図面ばかりと向き合っている仕事は人と話すことが少なかったので、辞めることにしました。

 

次の仕事は、また飲み屋で隣に座っていた兄方に誘われて職人になりました。誘われた次の日に来るように言われた場所は、なんと現場でした。初日から私服のままでいきなり現場仕事を手伝っていました。笑

その会社は、サッシ屋さんでしたが、普通の大工さんがやらないような仕事も、なんでもやるところでした。サッシの加工はもちろん、金物加工、鉄の溶接などもやっていました。

 

 

その後、複数の雑貨店を経営

もともと父は、メーカーさんの不良在庫などを大量に仕入れて売ったり、倒産した会社に残されたものの片付けから買取までを行う(専門の弁護士さんを介して)会社を経営していました。

基本的には卸業で店舗はなかったのですが、仕入れた雑貨を売るための実店舗を持つことになり、各お店の仕入れから売り上げなどの管理をしていました。

店舗は、東京・千葉・山梨・埼玉の複合施設内のテナントで、それぞれ契約期間はそれほど長くはなかったのですが、複数の店舗を持っていました。同時期に最大3店舗のお店を回していた時もありましたね。自分はお店の管理をしていたので、店頭に立つことはなかったです。

草加のこのお店ができてからも錦糸町の店舗など、つい最近まで営業していたお店もあります。

 

草加を拠点にするようになったのは

店舗を構えることによって奥さんと一緒に仕事ができるようになりました

店を出す10年前に草加に家を購入していました。駅からもこの店からも近いマンションです。草加にした理由は、奥さんと自分の実家のちょうど中間の駅だったからです。奥さんが越谷出身で、自分は西新井出身です。特に意図があって草加にしたわけではなかったです。

 

奥さんの親戚が、この場所で営業していた古着屋を辞めることになったと聞いて、2014年からここで店を構えることになりました。家も近いですしそのうち路面店をやりたいと思っていました。

 

でも一番は、ずっと奥さんと仕事がしたかったんですよね

 

家でも仕事でもずっと一緒なのがいやだという人もいるみたいですけど、自分は逆で、家でも仕事の話で盛り上がることができる方が楽しいんですよね。仕入れた家具を「いいでしょ?」とか言って分かち合いたいなって。

お客さんは、草加の人というよりも遠方から来てくれる人が多いかもしれません。仕入れたヴィンテージ家具の写真をInstagramでアップすると、遠くから店まで足を運んでくれたりしますね。一方この店では、新品のアウトレット雑貨も販売しているのですが、地元の人にはそういった商品をよく買っていただいています。

ここのアウトレット雑貨は、新品なのにすごく安いのが特徴です。仕入れは父の時代に築いてきたツテが強みになっていますね。

 

ヴィンテージ家具を扱うようになった理由ですか? 単純に好きですし、昔のものは材質が良かったり、今はないデザインが格好いいですよね。
それにヴィンテージの商品って、なかなか同じものがないじゃないですか。お気に入りのものに出会う喜びが最大の魅力ですね。しかも、自分が見つけたお気に入りをお客さんが飛びついて喜んでくれたりすると、なんだかこちらも嬉しくなってしまいますよね。

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ここ何年かで、草加にリノベーション店舗が増えてきた

2年くらい前からリノベーションの相談をされるようになりました。

トリノスという草加にあるコワーキングのリノベーションを担当したのを機に、一気に草加の人たちとつながっていったように思います。ちょうどその頃から草加にリノベーション店舗が増えてきたので、相談されることも多くなりました。

15年前から草加に住んでいますが、そもそも草加で遊んだり、食事に行ったりすることは少なかったです。子供が小さかったせいもあるかもしれませんが、お店のお客さん以外に草加の人との接点は、あまりありませんでした。

リノベーションのような内装業は、今は結果として業務の一つとなっていますが、本格的に営業をしているわけではなく、SNSでbeforeとafterを掲載することにより、問い合わせがくるようになったものです。

たまたま飲み屋の隣に座っていた兄方から誘われてやることになった職人の経験がなければできなかったですし、それ以前の図面を書いていた仕事も、完成のイメージ画を作ることにつながっています。

図面や職人の仕事は、自分の意思で選んだ仕事ではなかったのですが、今その経験が役に立っているんだなと思うと不思議な感じがします。

リノベーションデザインですか?だいたい一人で決めています。でも奥さんにデザイン段階で相談できるのは心強いです。客観的な視点ってありがたいですよね。

現場も自分たちでやっています。デザインから施工までをすべて同じところに頼めることで、お客さんも頼みやすいのかもしれませんね。

 

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自分のビジョンを思いっきり表現できる場を持ちたい

今後ですか?以前のようにガラッと仕事内容を変えることはないかもしれないですね。

でも、ヴィンテージ家具の仕入れって同じような仕事に見えるかもしれませんが、その時期ごとに流行りがあるのが面白いんですよ。最近は自分の好みが昔と変わったなと感じることもあります。以前興味がなかったものが、今はいいなと思ったりして。

 

ただ、欲を言えば本当はもっと広い場所でお店をやりたいですね。駅から離れてもいいので、工場のような広いスペースで自分のビジョンを思いっきり表現できるような店舗でできたらいいなとは思っています。

 


「周りに育てられて来た」と話す石田さん。周りの人の意見を素直に受けとめる姿勢を感じるとともに、だからこそ色々な人に愛されてきたのかもしれないと感じました。近くで奥さんが見守る中でのインタビュー。本当に仲が良いことと、お互いを尊重しあっていることが伝わってきました。そのうち、奥さんからの思いを聞いてみたいなと思ってしまいました。

 

インタビュー場所

outlet CHEERS 〒340-0034 埼玉県草加市氷川町2101−6