草加のスポーツクラブとの出会いが、今につながっている
- 2021年1月21日
- 重冨幸子
バレエ団出身の重冨さんは、多くのスポーツクラブでフリーランスのインストラクターとして働いています。過去には、子育てと仕事の両立で立ち止まった経験もある中、現在は、フル稼働でレッスンをこなす人気のインストラクターになっています。そんな重冨さんに、これまでのこと、草加に住むことになったきっかけや、草加との関わり、これからの展望などをお聞きしました。
バレエ漬けの日々からバレエ団に
出身は長野県小諸市です。5歳から高校まで、ずっとバレエ漬けの生活でした。バレエを始めたのは、姉が習っているのを見て「私もやりたい」と思ったのがきっかけです。
高校の時に通っていたバレエ教室の先生が東京のバレエ団の先生と交流があり、自分を推薦していただいたことでバレエ団に入りました。
バレエ団に入ったと言っても、それで生活できるという訳ではなく、普段はレッスン料として団費を支払い、公演の時は出演料は出るものの、チケットを売らなければならないので、アルバイトをしながらなんとか続けていたという感じです。
自分以外の人たちは、他でバレエを教えながらとか、そもそも元から都内に住んでいる人が多かったですね。自分のように地方から出てきてアルバイトをしながら続けている人は少なかったので、すごく温度差を感じていました。当時は、ラーメン屋さんでアルバイトをしていたので、バレエ団ではよく「中華臭い」なんて言われたりしていました(笑)
二年間バレエ団に所属していたのですが、怪我で公演にはそんなに出ることが出来なかったんです。バレエをする人がやってしまいがちな足首の軟骨が出てきてしまう怪我に悩まされていました。
手術を必要とするような大掛かりな怪我で、手術後リハビリをして、ようやく復帰したのですが、また同じ怪我をしてしまったんです。そんなことを繰り返しているうちに、もうバレエはいいかな?と思うようになりました。
ディズニーのオーディションに落ちたらニューヨークに行こうと思っていた
バレエ団を辞めてからは、ディズニーのオーディションを受けようと、アルバイトをしながらジャズダンスを習いオーディションに備えていました。
その時に「オーディションに落ちたら、ニューヨークにダンス留学に行こう!」って自分の中で勝手に決めていたんですよ(笑)知り合いがニューヨークにいたので、行っちゃおう!って。
その後、受けたオーディションには運よく受かることができました。一年間無料でディズニーのダンスレッスンを受けることができるというオーディションで、それを経てディズニーのダンサーになろうと思っていました。踊って生活できるなんて最高だなって。
そんな時に子供ができました。21歳のときですね。なのでディズニーのダンサーは断念することにしたんです。今思うと、18歳から21歳までは本当にいろいろなことが一度に起こっていたなって思います。
産後太り解消のため草加のスポーツクラブへ
結婚を機に、草加に住むことになりました。旦那さんは自営で仕事をしているのですが、一緒に仕事をしている方が草加に住んでいたので、仕事上都合がよかったんです。
自分は、引越した当初は草加の人と関わることはほとんどなかったのですが、産後太り解消のために通った草加のスポーツクラブで、いろいろな人と関わるきっかけができました。
産後15kgも太ってしまったんですよ。
スポーツクラブのスタジオレッスンで久しぶりにジャズを踊った時に、なんだか着ぐるみを着て踊っているような感じがしたんですよね。これは痩せないと!と実感しました(笑)スポーツクラブに通い続け、15kg 戻しました。
そろそろ仕事したいなと思っていた時に、ちょうどスポーツクラブで交流を持った人の知り合いが「バレエを教える人を探している」とのことだったので、やってみることにしました。
子育てしながらの仕事で鬱になった時もあった
バレエを教えていたスタジオは、バレエだけでなくジャズやよさこいも教えている総合的なダンススタジオでした。そこで子供を対象に3年ほどバレエを教えていました。
でもその時はまだ娘が小さかったので、仕事と育児の両立が難しかったんです。近くに親や肉親がいるわけでもないので、娘を預けることもできず、休みたい時に仕事を休めなかったことに悩みましたね。それが原因で、精神的に病んで、ちょっと鬱になっちゃった時もありました。
最終的に喘息の症状も出てきてしまい、一度そこで仕事を辞める決意をしました。
迷いましたが鬱になってしまうと、もう体が動かないんですよね。それから3年くらいは、専業主婦をしていました。
スポーツインストラクターに
娘が小学校の高学年になり、だいぶ自分のことをできるようになってきた頃、やっぱり働きたいと思いました。
昔やっていたことを活かせる仕事と考えた時、スポーツクラブのインストラクターはどうだろう?と。草加のスポーツクラブに通っていた時、インストラクターが輝いて見えたのを思い出したんです。
たまたま「バレトン」というバレエを元にしたエクササイズがあることを知り「自分でもできるんじゃないか?」といろいろ調べて、バレトンのインストラクター養成コースに通い資格を取りました。
資格を取るだけでは仕事にはならないので、最初はスポーツクラブのオーディションを受けに行きました。そこから仕事をいただいたこともあります。でも一個二個と決まってくると、どんどん繋がっていくんですよ。
最初はバレトンだけでしたが、もっとレッスンをしたいと思い「ピラティス」という体幹トレーニングのインストラクターの資格も取りました。
ピラティスの資格を取ってレッスンできる幅が広がりましたね。
今、教えている種類としては「ピラティス」「バレトン」「バレエ」それと「グラビティ」という自重の筋トレのレッスンをしています。また、最近コロナでスポーツクラブが休業になっている間にヨガのインストラクターの資格も取りました。
教えている場所としては銀座が一番多いです。銀座が週に4回くらい、千葉では松戸と八千代台のスポーツクラブ、埼玉ではレイクタウンや獨協大学前のスポーツクラブ、それと西新井や新越谷のヨガスタジオでも教えています。
この先、どの道を選んでも可能性があると思う
レッスンを受けていただく方に「楽しかった」「気持ちよかった」と言われると、やっぱり嬉しいですね。見た目が明らかに変わった方や実際に体重が落ちた方など結果につながっている方もいて、それは本当にすごいことだと思います。ご本人の努力の賜物ですが、それを助けることができているような気がして、やりがいを感じますね。
最初はできなかったことができるようになっていく方もいらっしゃいます。いろいろな形で皆さんが変わっていくのを見ると、こちらも刺激になります。
今は、週に25レッスンと、これ以上増やせないような数のレッスンを担当しているのですが、ずっとこの体制を続けることはできないとは思っています。
今後は、パーソナルトレーニングジムを開業する方向や、インストラクターを教える「マスタートレーナー」になる方向、もしくは、体の負担の少ないヨガとピラティスを中心に極めていく方向、それぞれどの方向が自分に向いているのかを試しているところです。
正直、今は色々と迷っている時期かもしれませんね。でも逆にどの方向に対しても可能性があると思っています。
今になってみれば、早くに出産して良かったのかもしれないな。って思います。
当時は大変でしたけどね。二十代で周りが遊んでいる時期にずっと子育てだったので。でも今は、子育てが落ち着いてからでも、自分のこれからの仕事のあり方を変えていける余地がある。
そんなふうに、自分が好きな方向を突き詰めていける環境はありがたいですし、好きなことで仕事ができているのは幸せだと思います。
草加でずっとバレエを教えている
草加のスポーツクラブで知り合った人たちに、今でもバレエを教えているんです。青少年ホームという市の施設を借りて教えています。
もう7〜8年になりますね。スポーツクラブでバレエのスタジオレッスンを受けている方たちが独自のサークルのようなものを作り、そこで教えているんです。
バレエ団の頃は怪我ばかりしていましたが、その時は体の使い方をよく知らないで体を動かしていたんです。ピラティスで解剖学を学んでからは、あの時は間違った使い方をしていたということがよく分かります。
なので、今、バレエを教える時は、体をどう使うかを重視して教えています。草加でバレエを教えているのは年配の方が多いのですが、絶対に怪我をしないように気をつけています。使い方を間違えると本当に怪我をしてしまうので。
バレエって、どう考えても不自然な体勢になるんですよ(笑)人間の足にとってはよくないことをしているんですよね。
振り返ってみると、草加のスポーツクラブに通っていなかったらどうなっていたんだろう?と思いますね。それがきっかけで、バレエのレッスンのお仕事が来たり、その頃知り合った人たちに今でも教えているくらいなので。それに、そこのスポーツクラブでインストラクターという職業も知ることができたんですから。
自分の強みを分かって迷わず突き進んでいる姿勢に、聞いていて心地よい刺激を受けました。いろいろなスポーツクラブで教えるようになった今でも、きっかけになった時に過ごした人たちの要望に応え続けて、草加でバレエを教えています。そのような行動も、どのスポーツクラブの方からも支持されている原因なのかもしれないと感じました。
担当しているスポーツクラブ(ヨガスタジオ)一覧
撮影場所
フィットネスクラブ コ・ス・パ 松原 〒340-0041 埼玉県草加市松原1丁目2−15
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