ハンモックは、みんなが笑顔になれる魔法の椅子

ローカルWEBメディア・地域サイト 草加ローカルストーリー 菊川太さん HammockRefle®︎Kikuya ハンモックリフレ キクヤ トップ写真

古民家のプライベート空間で、ハンモックに乗った状態で行うマッサージ「ハンモックリフレ」を受けることができるHammockRefle®︎Kikuya。ハンモックに身をまかせることにより、重力から解放され、力の抜けた状態でマッサージを受けることができます。そのジャンルを生み出し、さらに改良を重ね続ける菊川太さんに、ハンモックリフレに導かれたきっかけや、ここまでの形にしていった経過、拠点を草加に移したきっかけや、今後の活動について、お話しを伺いました。


もともと、ハンモックに憧れていました

ハンモックって南国のビーチで優雅に昼寝するものっていうイメージがあるじゃないですか。大人になったらそんなことやってみたいなっていう憧れはずっとありましたね。

初めてハンモックに乗ったのは吉祥寺のハンモックカフェです。リラクゼーションサロンで働いていた頃です。乗ってみて「気持ちいいし、しかも体が楽だな」って感じたんです。

しかもその時乗ったのは、寝るタイプのものではなくて、椅子タイプのものだったんです。その存在を当時は知らなかったので驚きましたし、案外コンパクトだったので「これは使えるんじゃないかな?」と思ったんですよね。

そこで閃いたのが「ハンモックリフレ」です。

 

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草加にある一軒家で、ハンモックリフレを受けることができます。

人を喜ばせることを仕事にしたい

兵庫県の伊丹市出身で、ずっと関西にいました。小学生の時は野球、中高生の時はバレーボールと、ずっとスポーツをしていました。そこそこ頑張ってやっていましたね。やっぱり怪我も多くて、接骨院にはしょっちゅう通っていました。なのでメンテナンスや治療のために、体に触られたりすることは日常でした。

 

学校を卒業後、就職してサラリーマンのようなことをしていたのですが、どうも合わなくて3ヶ月で辞めてしまったんです。なんと言うか、良いものであっても自分が良いと思えないことを勧めるのがすごく苦しかったんです。仕事だからといって、無理に「これはいいよ!」と勧めることが、どうしても難しかった。

それだったら、自分がいいなと感じていることを人に伝えて、喜んでもらえる方法ってなんだろうって思ったのが、この仕事を始めたきっかけです。

リラクゼーションを選んだ理由は、それ以前、友人とリラクゼーションのお店に行った事があり、そこで「すごく足が軽くなった!」「こんなに変わるんだ!」と感じたことも影響していると思います。

実際、リラクゼーションサロンで仕事を始めてみたら、どんどんのめり込んでいきました。

 

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一対一になる仕事が自分にとってはやりやすい

生まれつき耳が悪く、補聴器をつけて生活をしています。高校を卒業するまで補聴器をつけていなかったのですが、色々不自由だと感じる時はありました。

聞こえていなかったことで勿体ない事もあっただろうし、自分だけでなく、周りの人にも嫌な気持ちにさせてしまっただろうな。って、今になって思います。もっと早く補聴器をつけていればよかったって。

補聴器をつけ始めて日常生活はあまり問題なく過ごせていますが、大人数でのクロストーク、たとえばミーティングのような、多方面から声が飛んでくる会話は、聞き取りにくくなかなかついていけません。会話を遮ってまで「もう一回言って!」と聞いていいものか悩みます。

でもこの仕事は基本、お客さまと一対一なので、会話もし易く自分に向いているというか、合っているなと感じています。もちろん、聞き直してしまうことはあるんですが(笑)

不自由と感じることもありますが、同じ症状の方から相談されたり力になれることもあるんだな、と今は思います。

 

独立を機にハンモックリフレをスタート

ハンモックリフレ」は、吉祥寺で初めてハンモックに乗って閃いてから、すぐに始めた訳ではないんです。

そもそも、このジャンルが存在するのか調べてみたところ、誰もやっていなかったんです。それで、当時はまだ結婚していなかった今の奥さんに相談してみたのですが、その時は、大反対されました。

揺れて刺激は入らないし、吊るす場所がないから難しいのではないかと。確かに、施術技術の改良やハンモックの設置場所など問題もあったので一旦保留にして、情報収集をはじめました。

 

実際に動き始めたのは、独立を決めた時です。「ハンモックリフレを実際にやってみたい」と思い、とりあえず試してみることにしました。ハンモックカフェに直談判して、閉店後にスタッフさん全員の足を揉ませてもらったんです。

実際にやってみて「改善点はあるけど上手く使えば最高やな」という感触がありました。しかも、みなさんが気持ちいいと言ってくれたので、このスタイルでも出来るんじゃないかと可能性を感じました。

 

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新しいジャンルを作っていくということ

今の形になるまでは、本当に手探り状態でした。かれこれ11年目になりますけど、今でも改良を重ねています。

ハンモックの乗り方、降り方、どんな方向で乗るのが良いか?なんとなくではなく、きちんと伝えて利用していただいています。転んで怪我をしてしまってはいけないので。

 

初めは、チェアタイプのハンモックだったので、足しか出せず、足の施術のみでした。チェアタイプでは体勢的に頭や手の施術ができなかったので。

そのうち施術の幅を広げたいと思い、頭と手が出せるタイプの施術用ハンモックを考え、デザインしました。

日本にハンモックを作る職人さんがいて、その方に作って頂きました。通常のハンモックにはない手が出せる作りになっていて、頭の高さも調整出来るようになっています。

彼がいなければ実現しなかったと思うので本当に感謝してます。

 

拠点を構えることで、空間に対しても意識的になった

独立して3年目に、武蔵境の古民家で、住居兼サロンとして拠点を構えました。

平屋で庭があり、何をしてもいいよという物件だったので、自分たちでリノベーションをしてプライベートサロンとして営業を始めたのですが、その場所の反応がすごく良かったんです。

庭が見える空間と、おばあちゃん家のような雰囲気が肉体的な疲れだけでなく、心の癒しにもなると。

それで空間も大事だと改めて感じたんです。草加のサロンも以前の武蔵境のサロンも奥さん好みの物件と雑貨なんです。その雰囲気を好きと言ってくださるお客さんも多くて。やっぱり女性のお客さんが多いので、雰囲気作りはまかせっきりです。

それに一軒家のサロンって、他のお客さんと一緒になることがないので、家族やパートナーだけで空間を独り占めできるんです。なので旅行気分で、のんびりとリラックスできるんじゃないかな?って思います。

 

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古民家に置かれたハンモックは、空間に馴染んでいました。

ハンモックリフレを広めるために

今後やりたいことは、ハンモックリフレが出来るセラピストさんの育成。広めてくれる人をもっと増やしたいです。

これまで講座を卒業し活動してくれている人は九名。現在二名の方が受講してくれています。

その内の一人は大阪の方なんですよ。関東だけでなく、どんどん広まって行ったら嬉しいですね。

 

ハンモックリフレ講座を受講してくれる人は、実際過去に受けてくれたことのある人で、すでにセラピストとして活動している人が多いです。

受けた後すぐにという訳ではないのですが、『いつかやりたい』とずっと気持ちを温めてくれていた、とおっしゃる人が多く、みなさんご自身のタイミングが来た時に受講してくれる。本当にありがたいことです。

 

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親子で時間をシェアしてリフレを受けることもできます。

草加をハンモックタウンにしたい

武蔵境の物件が取り壊されることになり、移転先を探していました。当時のサロンの空間が、お客さんに好評だったので、同じような「古民家の平家で庭のある物件」が条件でした。

当初は武蔵境近郊で探していたのですが庭付き平屋、好みの物件でサロン可、というのはなかなか見つけられず、そんな時に見つけたのがこの物件でした。

 

4年前から草加に住み始めました。すぐに知り合いから紹介されていたconversionの今井さんのところへ行き、それであっという間に輪が広がって、さまざまな人と関わるようになっていきました。いろいろなご縁が重なっているんだなって感じます。

お客さんは草加の人は少なく、外から来る人の方が多いです。アピールが足りていないのかもしれないですが、もっとハンモックの良さを伝えて、本当は草加の人たちに来てもらいたいって思っています。

 

ベッドタウンじゃないですか?草加って。だったらベッドをハンモックにしたいなって(笑)

自分は、普段からハンモックは「魔法の椅子」って言っているんです。乗ると身体が緩むじゃないですか。不思議と同時に顔も緩んでしまうんです。みんな笑顔になる。

だから「笑顔になれる魔法の椅子」がたくさんある「ハンモックタウン」になったら、笑顔になれる街になるんじゃないかって。

 


ハンモックリフレの体験をしながらの取材でした。ハンモックに乗り、マッサージをしてもらいながら、なんだか不思議な距離感で、お話をお聞きしました。様々なアイデアを一つ一つ形にしていき、前進している菊川さん。日々起こる、些細なことにも真剣に対応しているように感じられました。まだまだ公開していないアイデアがたくさんあると言います。今、菊川さんの頭にあるアイデアが、今度、どんな形でアウトプットされるのか?とても楽しみです。

 
 

撮影場所

ハンモックリフレ キクヤ 〒340-0017 埼玉県草加市吉町5丁目4−48

 

この記事の撮影

カメラマン

吉田記子